ドクターズファイルに馬場先生が掲載されました。
プラセンタ
プラセンタ(placenta)とは英語で「胎盤」という意味です。お母さんのおなかの中で赤ちゃんを守り育てる胎盤は、たった一つの細胞である受精卵をわずか10か月の間に正確に各臓器へと分化・成長させ、3キログラムの赤ちゃんまで育て上げることができます。この驚異的な働きを持つ胎盤の生理活性物質を含有しているプラセンタエキスは、もともとは厚生省が認可した肝機能障害や更年期障害を治療するための医薬品で、日本で長く使用されています。
胎盤から抽出された有効成分は全身の細胞へ作用し、美肌効果はもちろんのこと、免疫力の向上、新陳代謝の促進、自律神経やホルモンバランスの調整、疲労回復など様々な薬理作用をもっており、万能のアンチエイジング薬としても注目されています。
どんな成分が入っていて、どんな作用があるのでしょうか?
プラセンタは、一つの細胞から60兆個の細胞に増殖していく胎児の成長のみならず、形態や機能を制御する多彩な機能があり、美容を目的とした組織の再生の面からも高い効果が期待できます。種々の栄養素、機能物質が豊富に含まれています。
栄養素として、タンパク質、脂質、糖質、ミネラル、ビタミンといった5大栄養素が含まれていますが、これらに加えて、アミノ酸、核酸、活性ペプチド、ムコ多糖といった成分を幅広く含有しています。あかちゃんの全身を作るための栄養素が凝縮されているのです。
機能物質として特徴的なのは、各種の「成長因子」が含まれていることです。成長因子とは細胞分裂を促進する物質で、ごく少量でも作用します。胎児の皮膚が作られるのは上皮細胞成長因子(EGF)、肝臓が作られるのには肝細胞成長因子(HGF)が作用した結果です。成長因子は、新しい細胞を次々に作り出し、その結果、新陳代謝が活発になるのです。この他にも、コラーゲンやエラスチンを産生する線維芽細胞を増殖させる線維芽細胞成長因子(FGF)、神経細胞増殖因子(NGF)、インシュリン様成長因子(IGF)、コロニー形成刺激因子(CSF)、各種インターロイキンなど、プラセンタに含まれる成長因子は多岐にわたります。
また、その胎盤力というべき有効性からみて、未だ知られていない有効成分も含まれていると考えられています。
- プラセンタの作用を示します。
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- 美白(メラニンの合成抑制)
- 保湿
- コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の産生促進
- 新陳代謝・血行の促進
- 抗酸化作用(活性酸素の除去)
- 自律神経の調節
- 内分泌調節作用(ホルモンバランスの調整)
- 抗炎症作用
- 抗アレルギー作用
- 免疫賦活作用
- 創傷回復促進作用
- エネルギー代謝を高めるアミノ酸などの補給
など数多くの作用があります。
注目すべきは内分泌調節作用で、これは体内のホルモンのバランスを整える調節作用のことですが、ホルモン療法には決して期待できない作用です。
プラセンタが全身の細胞へ作用し、美肌効果はもちろんのこと、疲労回復やアンチエイジングなど幅広い効果を持つ理由の一端がお分かりになられたことと思います。
プラセンタはどんな方に良いのでしょう?
- 美肌効果を目的とする方
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- しみ・そばかす・くすみが気になる方
皮膚の新陳代謝を高め、しみ・そばかすの原因となるメラニン色素の排出を促します。
メラニン色素を作っているメラノサイトに働きかけること、メラニン色素の生成を刺激する活性酸素を除去することで、メラニン色素の生成を抑制します。 - 肌のきめ・はり・肌荒れ・小じわが気になる方
- 皮膚のアンチエイジング(老化防止)を希望される方
皮膚の新陳代謝を高めターンオーバーを整える作用、皮膚の血行を促進する作用、及び皮膚のバリア機能を高める保湿作用があるため、きめ・肌荒れの改善につながります。肌のハリを担っている真皮のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の産生を促します。また、これらの真皮成分は加齢や皮膚で活性酸素が増えることによっても減ってしまい、しわ・小じわの原因になりますが、プラセンタは活性酸素を除去し、また真皮の線維芽細胞の増殖を促し、真皮成分が減少していく過程をブロックします。 - にきび 生理の前後に悪化するにきびの方
活性酸素とホルモンバランスはにきびの病態にも深くかかわっています。抗炎症作用とホルモンバランスの改善によってにきびを抑えます。 - 美肌以外の目的の方
疲労倦怠感の改善、滋養強壮、免疫力増強、風邪の予防、更年期障害、冷え症、生理痛、生理不順、肩こり、腰痛、眼精疲労、花粉症、アレルギー性鼻炎・結膜炎、喘息、肝機能障害、二日酔い、アンチエイジングなど
- しみ・そばかす・くすみが気になる方